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考え方・価値

AIに整えてほしいのは、自分で考えるための材料

AIが作った資料を自分の意図に沿って組み直すとき、どんな情報があると助かるか。背景や根拠を整理し、人が重点と順序を選べる余地について考えます。

Steven Wong

最近AIに作ってもらった文書やスライドを、一つ思い出してみてください。そのまま同僚に渡したでしょうか。それとも、読み直して、削って、順番を変えたでしょうか。

私は、AIが仕事をどこまで仕上げるかを考えるとき、この「自分で組み直す部分」を大切にしたいと思っています。決まった形式への変換や、手順が明確な作業を任せられるのは便利です。その一方で、何を伝え、何を判断したいかに合わせて、自分で考えを組み立てたい場面もあります。

同じ情報でも、伝えたいことは変わる

たとえば、ある案件について同僚に説明する場面を考えます。「予定が延びた理由を知りたい」と聞かれたなら、変更に至った経緯と条件を先に伝えるでしょう。次の会議で日程を決めたいなら、残っている確認事項と、いつ決められるかを中心に話したいはずです。

元になる事実は同じでも、必要な順番や詳しさは変わります。先に一つの報告書として完成させると、今回使いたい部分を抜き出し、その結論に至った背景を探し直すことがあります。

そこで、AIにはまず、判断に使う材料を整理して渡してほしいと思います。何が起きたか、どの条件で決まったか、何がまだ決まっていないか。それぞれの根拠を確かめられれば、自分の目的に合わせて重点を選べます。

ただし、発言や資料を大量に並べるだけでは、読む人に整理を任せたままです。同じ話をまとめ、関係する経緯をつなぎ、事実と提案、確定事項と未確認事項を見分けられるようにする。短くするときにも、結論を変える条件は残しておきたいところです。

自分で考えられる状態をつくる

必要な材料が整理され、その先をどう考え、どう伝えるかを自分で選べる。私は、そこにも自動化の大きな価値があると思います。

完成した文章には、何を重視するか、どこまで説明するかという選択がすでに含まれています。材料と根拠が見えれば、その選択に納得したうえで使うことも、違う切り口で組み立てることもできます。足りない情報に気づき、関係者に確かめる余地も残ります。

Lyqaでも、仕事の背景や経緯を整理し、判断に必要な情報を使いやすい形で届けることを目指しています。記録された会話や資料をもとに、決まったことや残る確認事項をつかみ、権限と参照先の範囲内で根拠をたどれるようにする。その先の新しい判断や承認は、人が行います。現在は初期パイロットの準備段階です。

次にAIへ仕事を頼むときは、自分が決めたいことを一つ書き、そのために必要な背景と根拠を整理してもらう。返ってきたものを読んで、自分の考えを進められるか。そこから、任せたい範囲を考えてみてください。

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