企画が現場でうまくいかない。その間で、何が抜け落ちているのか。
企画が現場の事情を知らず、現場で得た経験も企画へ戻らない。計画を伝えるときに抜け落ちる背景と、次の企画へ経験をつなぐための情報共有を考えます。
Steven Wong企画をつくり、資料を渡し、説明会も開いた。それでも、営業や実行を担うチームでは思うような結果が出ない。こうした場面で、私が気になるのは、企画と現場がお互いの事情をどこまで知っていたかです。
計画を渡す前から、見えている仕事が違う
例えば、新しいサービスの提案を増やす企画を考えます。企画側は対象顧客や訴求点を整理している。一方、営業側は既存顧客への対応を抱え、商談では導入後の運用に関する質問が多く出ているとします。
その様子が企画側に届いていなければ、提案に使える時間や、事前に必要な説明を見込めません。現場の仕事を知らないまま、実際には回しにくい計画ができてしまいます。
計画書にまとめる段階でも、なぜこの顧客層を選んだのか、どの案を見送り、何を優先したのかが省かれることがあります。会議にも時間の限りがあり、資料や説明に収まらなかった背景は、作った人の中に残ります。
実行する側が受け取るのは、やることと目標が中心。事情に合わせて変えてよい範囲が分からず、確認が必要になる。その返事を待つ間にも、顧客への対応は続きます。
現場で分かったことを、次の企画へ戻せるか
営業側も、商談を重ねる中で、説明が伝わる順序や、顧客がためらう理由をつかんでいきます。ただ、成果の報告が件数と進捗だけにまとまると、その工夫や判断は企画側まで届きません。
先ほどの例なら、提案数が伸びない理由を振り返るために、どんな運用の質問が出たのか、その回答に何が足りなかったのかを知る必要があります。そこまで戻れれば、次の企画では訴求点、説明資料、提案の順序を見直せます。
企画の背景が現場へ届き、現場で得た経験が次の企画へ戻る。この往復を支えたいと思っています。
必要な背景を、自分で確かめられるように
Lyqaでは、接続され、読み取りを許可された会話や資料から、仕事の背景や経緯、判断の根拠、現場の変化をつなぐことに取り組んでいます。企画の理由を知りたい人も、実行して分かったことを知りたい人も、必要に応じて元の記録をたどれる状態を目指しています。
知っている人を探して一から説明してもらう場面や、状況を理解するためだけに集まる時間を減らせれば、相談したいことを絞って話せます。
記録されていない事情は、当事者に聞く必要があります。新しい条件にどう対応するか、何を優先するかも、人が話し合って決めることです。
次の企画を振り返るときは、結果に加えて「現場で何が分かり、計画のどの前提が変わったか」を一つ残してみる。そこから次の計画へ戻れることが、企画と実行の距離を縮める一歩になると思います。