転送されたメールの言葉は、誰の発言か
メール本文に含まれる過去の引用を、最新の送信者の意見として読まないために。発言者、時点、現在の立場を分けて考えます。
Steven Wongメールには、今回書いた文章の下に、過去のやり取りが長く引用されていることがあります。転送先が増えるほど、一通の中に複数の人と時点の言葉が重なっていきます。
その本文から情報を整理するとき、最新の送信者がすべてを話したように扱うと、誰が何を求めたかを取り違えてしまいます。Lyqaの開発でも、引用された履歴や貼り付けた内容を、文書を書いた本人の発言と区別することを扱ってきました。
一通の中に、異なる立場がある
たとえば、担当者から社内へ次のようなメールが届いたとします。これは説明用の例です。
お客様から以下の希望が届きました。対応できるか確認をお願いします。
引用:できれば金曜日までに、全項目を完成させてほしいです。
ここで確認できるのは、お客様が希望を伝え、担当者が対応の可否を尋ねていることです。担当者が金曜日の完成を約束したことまでは読み取れません。
もし「担当者は金曜日までに全項目を完成すると伝えた」と整理されれば、希望が社内の約束に変わってしまいます。日付も作業内容も元の文章にあるため、表面的にはもっともらしく見える点が難しいところです。
言葉と一緒に、発言の位置を残す
記録を読むときは、誰の言葉か、いつの言葉か、今回の送信者がそれをどう扱っているかを分けます。賛成して引用したのか、確認を依頼したのか、過去の経緯として転送したのか。同じ文章を引用していても、役割は異なります。
さらに、その後の返信で条件が変わっているかもしれません。金曜日の希望に対し、「一部なら可能」と返答し、合意していれば、最初の引用だけを現在の約束として使えません。
引用の境界が分かりにくいときもあります。貼り付けた文章に発言者や日付がなければ、推測で割り当てず、出どころを確認する必要があります。分からない部分を残すほうが、誰かの意見として誤って広めることを避けられます。
Lyqaでは、仕事の経緯をつなぐ際に、文章の意味だけでなく、その言葉がどこから来たかも保ちたいと考えています。発言者が分かることは、相談する相手や、合意を確認する場所を選ぶことにもつながります。
先ほどの例を整理するなら、「お客様は金曜日の完成を希望。担当者が社内で可否を確認中」と書けます。短い一文でも、希望した人と現在の状態を残せます。